太陽の紫外線を長く浴びると、皮膚が赤くなったり火照ったりといった急性の皮膚炎が生じます。その後、皮膚(表皮)の最下層にあるメラノサイトと呼ばれる細胞でさかんにメラニン色素が作られ、皮膚が黒くなります。これが日焼けのメカニズムです。日焼けは紫外線から肌を守るための一種の防御反応で、通常、黒ずみは自然に消えていきます。しかし、無防備な状態で紫外線を浴び続けたり、加齢やスキンケア不足で肌状態が悪化していると、メラミン色素が表皮のあちこちに沈着し、シミやソバカスとして残ってしまうのです。ちなみに、日焼け止めアイテムでよく見られる「UV」とは「ultraviolet」の略で、ずばり「紫外線」を意味しています。
紫外線量が最も多くなるのはやはり夏(夏至前後)。しかし、春や秋も紫外線量は意外と多く油断はできません。また、緯度が低い南の地域ほど紫外線量は多くなります。1日の中で最も高くなるのは正午前後。お昼休みを利用してジョギングをする際は特に注意が必要です。
太陽光を遮る雲が空を覆っていても、薄曇りの場合は快晴時の約8~9割までしか減りません。また、雲が比較的多くても日射しを受けていれば、快晴時よりも紫外線量が多くなることもあります。
ジョギング時に紫外線の悪影響を受けないための予防策には、やはり肌の露出を減らすことが一番。ランニングキャップは必須、ウエアも長袖&ロングパンツがおすすめです。最近はUVケアを施したウエアもあります。意外と見落としがちなのが、手と首周り。薄手のランニンググローブを着用したり、首元にスカーフを巻いたりして日差しをなるべく当てないほうがよいでしょう。それでも顔の下側や耳はカバーしきれないので、日焼け止めを入念に塗っておきます(他にも露出している部分はくまなく)。汗や皮脂に強いタイプもありますが、それでも2~3時間ごとに塗り直すのがベター。化粧下地と併用する場合は、日焼け止めを先に塗ることが基本。順序としては、洗顔後に、化粧水と乳液で肌を整え、日焼け止め、化粧下地を塗りましょう。
日焼け止め製品に表示されている「SPF」は、肌の炎症を引き起こすUV-B波の防御効果の指数で、皮膚が紫外線を浴び始めてから赤い斑点ができるまでの時間を何倍に引き延ばせるかを表したもの。たとえば赤い斑点が現れるまでに20分程度かかる人がSPF30の日焼け止めを塗った場合、20×30=600分程度の防御効果が期待できます。もう一つ、「PA」は、肌の黒ずみやシミを引き起こすUV-A波の防御効果指数です。「 +(効果がある)」「++(かなり効果がある)」「+++(非常に効果がある)」の3段階に分類されます。ただし、どちらも過信は禁物。肌の露出を避けること、そもそも強い紫外線を浴びすぎないことが肝心です。もし日焼けをしてしまった場合は、急いで保湿ケアをしておきましょう。
楽しいランニングもシミやしわができてしまっては台無しです。
真夏や晴れの日以外でも安心してはダメ!
曇りの日だって紫外線の量はかなりのものです。
だから自分のお肌は自分で守らなくては!
日焼けの大敵、紫外線からお肌を守ってくれる最新のUVコスメをご紹介します。
皮膚と同様に、紫外線の害を受けやすい組織が「目」です。太陽光をダイレクトに受ける目は、皮膚のシミ発生につながるだけでなく、目そのものの機能にも悪影響を与え、眼精疲労や角膜炎、白内障などの原因にもなるといわれ、紫外線対策はとても大切なのです。
紫外線から目を保護するためのアイテムとして有効なのは、帽子とサングラスです。帽子は、顔に影が落ちるツバのついたキャップであることが基本。通気性や吸汗速乾性に優れたランニング用キャップが最もおすすめで、UV加工や抗菌抗臭の処理を施したもの、後頭部から首すじまで覆うカバーがついたタイプもあります。いろいろな形やデザインがあるので、品揃えが豊富なランニンググッズ専門店で探してみるとよいでしょう。ツバの大きなサンバイザーもありますが、髪のダメージにつながりやすいので日差しが強い日には不向きといえます。
サングラスに関しては、軽くてフィットしやすいスポーツサングラスが適しています。色の濃いものほど有効と考えがちですが、それは誤り。まぶしさを抑える効果は高まっても、紫外線の抑制には逆効果になることもあります。ランニンググッズの専門店などで、UVケアの機能をよく確かめた上で購入してほしいと思います。よくわからなければショップの店員さんに質問してみるといいでしょう。
キャップをかぶればサングラスは不要では?と考えるかもしれませんが、地面の照り返しによる紫外線はキャップでは防げません。太陽の位置によってはツバで日差しを遮れないことがあるため、ジョギングをする際にはキャップとサングラスの併用が必要なのです。また、サングラスは視界の明るさが抑えられて気持ちが落ち着いたり、走ることに対する集中力が増す効果も得られます。
紫外線の悪影響を受けないためには、体の内側での対策も必要です。肌の黒ずみやシミを引き起こすUV-A波の影響を抑えるためには、体内の過剰な活性酸素を除去してメラニン色素の産生量を減らしてくれる「抗酸化作用」のあるビタミンC、ビタミンE、βカロチンが効果的。これらの栄養素を豊富に含んだ濃緑の葉物野菜やフルーツ、緑の豆類を積極的に食べてほしいと思います。中でもおすすめなのが、ビタミンC、ビタミンE、βカロチンの全てが充実したモロヘイヤ。トマト、ニラ、ピーマン、ホウレン草、ニンジン、キュウリ、西洋カボチャもいいですね。ビタミンCは一度にたくさんとっても排泄されてしまうので、間食にも果物を食べるなどこまめに補給しましょう。
とはいえ、こうした栄養素を食事でまかなおうとしても、必要な量がどうしても確保できないこともあります。ジョギングを習慣とする人は、体内の栄養素を多く消費しやすいため、より多くの量を補給する必要もあります。そこで頼りになるが、サプリメント(栄養補助食品)です。マルチビタミンやマルチカロチン(マルチカロテンとも)などは、最近ではコンビニエンスストアなどで気軽に入手できます。ドリンクのサプリメントなら、錠剤や粉末タイプよりもさらに手軽に補給できますが、飲み口をよくするために砂糖や甘味料が加えられていることが多いので、ダイエット中の方は飲みすぎに注意しましょう。
優れた抗酸化作用がある栄養素として最近注目され始めているのが、アスタキサンチンです。βカロチンと同じカロテノイドに属する赤色の栄養成分で、サケやエビ、カニなどの体内に蓄積されています。アスタキサンチンにはビタミンCやE、βカロチンと比べてもはるかに強い抗酸化作用があることが以前から確認されていましたが、人間がその効果を期待するにはサケやカニ、エビを毎日必ず食べ続けなければならず、難しいともいわれてきました。しかし、近年の成分抽出技術の進歩によって、現在はサプリメントとして無理なく摂取できるようになっています。




































